氏名

H I

記入日

2009年6月14日(日)

 

プノンペンでの生活もやっと慣れてきたとこでしたが、実は5月20日からホームステイが始まりました!!!

語学習得のためやカンボジアの生活・文化に触れるため、今、プノンペンからバスで6時間くらいのバッタンバンというところにいます。今回、ホームステイさせてもらっている家はJLMMのイベントの時にはいつも販売している「ラチャナ・ハンディクラフト・バッタンバン」の作業所の上にあるシバナさん宅です。家族はシバナさん夫婦、息子さん夫婦と赤ちゃん、そして娘さんの6人。そして犬2匹、猫1匹です。

 

ホームステイが始まって、カンボジアの伝統的な結婚式にクメールシルクで作った服を着せてもらって連れて行ってもらったり、カンボジアのカレンダーにあるお寺に行く日には仏教徒のシバナさんと一緒にお寺に行かせてもらったり、田舎の農家にピクニックに行ったり、週末には家族で川辺に夕涼みに行ったり、食事の準備はござの上で市場から買ってきた野菜やお肉を切ったり、コオロギや孵化しかけの卵やドリアンなどなど…普段あまり食べることないものを食べたり、毎日が初めてづくしの日々です。

 

始めは不安もありましたが、今は家族の中で一緒に過ごさせてもらうことがとても嬉しくて楽しいです。とにかくみんな優しくて、まだ話せない赤ちゃんもカンボジア語の話せない私にとってすごい癒しで、末っ子の娘さんの働き者ぶりには感心するし、仕事や子育てで大変でも家族みんなが仲良く協力し支えあって暮らしている様子を目のあたりにして、私がここに一緒にいさせてもらえることに感謝!とっても素敵な家族です。一緒に生活し始めて、言っていることが分からなくて何回も説明してもらっても、結局よく分からなかったり、言葉が通じなくてもどかしかったり、そんなことばかりですが、やっと理解できた時の喜びや、こんな私に嫌がらずに何度でも付き合ってくれるみんなにどんなに支えられているか、ということに気付かされます。本当にみんなの優しさが身にしみます。

 

また、バッタンバンの教会活動にボランティアとして参加させてもらっています。週に一度、シスターと教会スタッフが刑務所に行き、診察をして薬を処方したり、食事を作ったりします。刑務所内はひとつの村のようで、男女が一緒で作業している人もいればタバコを吸って話している人もいて、一部しか見ていませんが、日本のイメージとはかけ離れていました。そして、病人の多さにびっくり。一日100人以上、診察します。刑務所内の広場に集まってきた患者さんを前にして、いつものことですが、ここでも自分の力のなさに打ちのめされます。前までいた医者がいなくなって、診察するのが一人で大変なシスターの手伝いが少しでもできれば、と思って「一緒に行きたいです」と言ったものの、私に診察ができるわけでもなく、私にできることがありません…そして、刑務所の人たちのボランティアが名前をチェックしてカルテを用意したり、体重血圧を測ったり、できることは自分たちでやっています。

 

結局、教会スタッフが薬を渡すのを手伝わせてもらいましたが、私、ここに何しに来たんだろう?と思わずにはいられません。来週は来るのを辞めようかな?と思っていると「どこから来たの?」と話しかけてくれる人がいました。「日本人でカンボジア語少ししか話せないよ」と答えたりして、「来週も来るの?」という質問に…「何もできないからどうしようかと思っている…」と答えました。すると彼は「日本語を話したいから来てほしい」と、私が来週も来るようにシスターにお願いをしてくれ、シスターの返事は「私次第」とのこと。だから、「来週も来てね!」と言ってくれました。わざわざシスターに尋ねてくれた彼の優しさが嬉しくて、そして、何もできないと思っていた私にもできることを教えてくれた彼に感謝。カンボジアに来てからカンボジア語だけでなく英語さえ満足に話せない私はせめて英語圏に生まれていれば…と思うことが何度もありましたが、私が私でよかった!と思うのでした…。

 

それから、バッタンバンの教会で5月24日に叙階式がありました。タイ人の助祭が叙階され、新司祭の誕生です!!!入場からミサの中でもカンボジアの伝統舞踊があり、本当にたくさんの人であふれていて、とっても華やかなミサでした。私はミサの中で按手をしてもらっている姿を見ながら自分の派遣式のことを思い出しました。派遣式で私は按手をしてもらっている間ずっと涙が止まらなくて泣いていましたが、あれから何ヶ月も過ぎ、今ここにいて、来月からは活動が始まります。振り返るとあっという間でなんとなくまだ不思議な感じもしますが、神様が与えてくれたここでのこの時間を精一杯、過ごしたいと思います。毎日、できないことがたくさんで、落ち込んだり悩んだりしますが、その分、ちょっとしたことが、嬉しかったり楽しかったり、たくさんのことを味わっています。

 

「大切なのは何をしたかではなく、どれだけ心を込めて行うかである」

「多くのことをできなくても、あなたのできる小さなことに、心を込めて、ささげなさい」

マザーテレサ

   
   叙階式・連願             シバナさんと結婚式へ         お寺の中の様子

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