氏名

林 愛子

記入日

2012年1月29日(日)

 

レポートを久々に書いていきなりなのですが、無事に任期を終了し帰国しました!前回、9月ワールドユースデイと洪水のレポートを書いた後、10月バッタンバン教区のミーティング、11月イエズス会の黙想会への参加、タオムのパストラルセンター・幼稚園の完成、12月クリスマス、1月カンボジア最後のお別れなどいろいろな行事を経て、1月17日、3年(半年の語学研修、2年半の活動)の派遣を無事に終え、帰国いたしました。このカンボジアでの派遣にあたってご支援・お祈りいただいた、たくさんの方々に改めて心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。

 

 

「あなたが派遣されることに意味がある。」と、私がJLMMの募集説明会に行った時に言われた言葉です。何か特別な技術や能力を求められているのではなく、あなた自身が必要である、と。看護師だった私はJICAや医療関係のNGOなどの選択を考えたリもしましたが、この言葉に惹かれました。あと、英語がそんなにできなくても大丈夫と言われたこともありますが…。

 

話はとんで7ヶ月の日本での研修、カンボジアでの半年の語学研修を経て、シェムリアップ教会に派遣された私は看護師でなく、会計をしていました。活動し始めた時は言葉も会計の仕事も分からず、意思疎通ができず、レシートが合っているのかどうかも見分けられず、物やお金が無くなって人を疑い信じられなくなって、怒ったり泣いたり、一緒に働いている人たちとうまくいかなかったり、派遣された意味はあるのだろうか?と、毎日のように自分に問いかけ、時には日本に帰りたいと思うこともありました。しかし、怒ったときに話を聞いてくれる人、泣いたときには言葉はなくても一緒にいてくれる人がいました。

 

 

困難にぶつかった時には、人を通して神様は働かれ、様々な気づきやタイミングのよい助けを与えてくださり、私の周りにいるみんな、日本から祈ってくださった人たちに、その度ごとに助け支えられてきました。

 

また、はじめは相手のことを考える余裕もなく、私にとって、なんでそんなことするの?!と思うことばかり起こって、理解しがたいと思っていたことも、カンボジアの人たちの生活や文化などいろんなものに触れ、その人の背景を考えると、少しずつ理解しようと思い始めました。もちろん、どうしてもそれだけは理解できない!ということもありましたが…。

 

確か、JLMMの応募用紙に対立する人とどうやって問題解決するか?というような質問に、相手の意見を聞いて話し合う、と言うような回答をした気がしますが、実際にそれが言葉の壁や国によって違う考え方などあると、どれほど困難なものであるかよ〜く、分かりました。でも、ぶつかっても話し合うことで相手がどんなふうに考えているのか分かったり、それが自分にとって意外なことで思いもよらず、気づかされることがあったり、本当に私って怒って泣いて子供だな、と反省しつつも、新しい発見、大切な経験になりました。

 

 

「ミッショナリーは派遣地において様々な活動を通して、現地の人々と喜びや悲しみを共有し生活します。また、キリストが人々と共に歩まれたように、自分自身の生き方や活動を通してキリストの言葉を実践します。」研修でたくさんのことを学んできたつもりで、自分がキリストに近づけるように、と思っていましたが、カンボジアでの活動を通してカンボジアの人々の中にキリストを見つけることができました。私が教えるのではなく、学ぶことがたくさんでした。教会で働いていると、村の人たちに物を配ることがあり、列を作らない人や話を聞かない人に対して、そんなんやったらものあげない!とひどい態度とってしまうことがあって、そのもらったわずかなものを分け合っている兄弟を見ると、私はその言葉を実践できているのかな?と考えてしまいました。物を配っている私ではなく、たくさんの貧しくされた人の中に一緒にキリストがいる、と気付かされました。

 

 

シェムリアップ教会での2年半は一生忘れることのできないものです。活動を始めて1年後、主任司祭のヘリ神父様が10年目の区切り、サヴァティカルでシェムリアップ教会を離れられる日、私にもこんな日がくるのかな?と思っていた日が自分にもついにやって来ました。活動を始めたときは1年後の一時帰国まで長いなぁ…と思っていたのに、2年半経ってみると、え!もう?と思うほどです。

 

ケンカをしながらもいつも私のことを支えてくれた教会のスタッフ、村に行くといつも笑顔で迎えてくれる村の人たちや子供たち、シェムリアップ教会を訪れる世界中からやって来る一期一会の人たちや何度も来てくれる教会を通してできた仲間のような人たち、神様のお話しだけでなく様々な相談に乗ってくれる神父さんやブラザー・シスター、特にお祈りだけでなく日本のお菓子などで心と体に元気をくれた日本のショファイユや礼拝会のシスター方、カンボジアでの活動の悩みを話せる私と同じ海外からのミッショナリーやボランティア、お父さんとお母さんのように優しくしていただいた漆原ご夫妻、そして「共に生きる」という同じ目標を持ったJLMMのメンバーなどなど、この派遣を通して、本当にたくさんの出会いがありました。このつながりをこれから先もずっと大切にしたいと思います。そして、このつながりをもっと広げるためにも、これからの私の新しいミッションについて考えていかなければいけません。

 

さいご、空港には神父様はじめ教会のスタッフが見送りに来てくれました。最後は泣きそうになりながらも、みんなと笑顔でさよならできました。みんなへたくさんのありがとう、そして、また会える日を楽しみにして、シェムリアップの空港から新しい出発をしました。



 

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